宝生和英さん訪問報告

宝生和英さん訪問報告

あらまし

2016年3月23日、プログラム参加者は水道橋にある宝生能楽堂を訪問しました。能楽「宝生流」宗家、宝生和英さんを訪ねるためです。宝生さんは能楽宝生流の第二十世宗家であり、2008年に22歳にして宗家を継承されました。今回日本の伝統芸能の「匠」としてプログラムに協力していただきました。まず能を一演目鑑賞させていただいた上で、舞台袖へと移動します。靴から白足袋に履き替えましたが、白足袋は留学生にとって初めての経験です。そして宝生さんに挨拶を行いました。

舞台にて

まずは鏡の間にて舞台上での注意点を受けた後、橋掛かりに移動します(橋掛かりは左写真で参加学生が並んでいる部分)。橋掛かりでは、一の松、二の松、三の松(左写真の右手に見える松)がなぜ三本なのか、舞台装置としてどのような効果があるのか説明を受けます。次に、本舞台(右写真の舞台)に移り、各柱や鏡板について説明を受けました。留学生は床に少しの傷もつけまいと慎重に動きます。

実演を間近で見る

次にお囃子方の方々に登場していただき、まずは各役について実際に音を出してもらいながら説明を受けます。その後、「土蜘蛛」を実演していただきました。一番の見せ場は源頼光と蜘蛛の立ち合いの中で、蜘蛛が糸を投げかけるシーンです。左の写真はまさに蜘蛛の糸が投げられている場面ですが、留学生たちからも思わず驚きの声があがりました。

装束と面の着付け体験

最後に楽屋に移り、装束と面の着付け体験をさせていただきました。留学生のみならず東大生にとっても初めての経験です。左写真は面の着付け体験の様子です。能楽の面によってつけた人に対する印象は全く違うものになります。ここが留学生にとっては興味深かったようでお互い写真を取り合っていました。一方で、右写真は装束の着付け体験の様子です。一着の値段に留学生はとても驚き、それほど貴重なものを着ることができることに喜んでいました。