2022年エル・コレヒオ・デ・メヒコ大学院大学短期日本調査プログラム

2022年エル・コレヒオ・デ・メヒコ大学院大学短期日本調査プログラム

メキシコ大学院大学のアジア・アフリカ研究センター(CEAA)で日本に関わる研究をしている修士課程学生11名が、2022年11月までの一ヶ月半来日し、各自の研究テーマについて調査活動に励みます。ライナックは、テーマの近い東京大学の研究者・院生とのマッチング、報告会の開催等を通じて調査に協力し、日墨間の学術交流を深める予定でいます。

プログラム概要

東京大学グローバル地域研究機構ラテンアメリカ研究センター(LAINAC)は、2018年11月28日から2019年1月16日にかけて、国際短期プログラム「コレヒオ・デ・メヒコ修士課程学生による日本研修ツアー」を実施します。コレヒオ・デ・メヒコ(COLMEX、メキシコ大学院大学)は、ラテンアメリカを代表する人文社会科学系研究機関の1つです。東京大学の協定校であり、これまでLAINACと研究面、教育面で交流実績を積んでいます。本プログラムでは、COLMEXのアジア・アフリカ研究センター(CEAA)修士課程所属の11名の学生が来日し、東京大学の教員と院生の協力を得ながら日本で現地調査を行います。2016年度にも本プログラムは実施されており、今回で二度目となります(前回プログラムについては「こちら」)。

プログラムの流れ

研修6日目の12月4日、11名のCOLMEX院生と引率の田中道子CEAA教授は東京大学駒場キャンパスを訪問します。研究科長室を表敬訪問した後、キャンパスツアーを行い、図書館利用証等が配布されます。その後、東京大学の教員と院生を前に、参加院生は各々の研究テーマと計画について発表します。以後、参加学生は1ヵ月間、テーマの近い東大の院生と教員と情報交換をしながら、東大の施設を適宜活用しつつ、研究に取り組みます。帰国前には、研究成果の報告会を駒場キャンパスで開催します。

発表者と研究テーマ

Andrea de Lourdes Chapela Saavedra
母語と母国のはざまで。李良枝(イ・ヤンジ)の作品にみる在日体験

Alejandro Chirino Castillo
素人の乱 - 現代日本アナキズム運動について

Eloísa Cornelio Bautista
高橋たか子の『ロンリー・ウーマン』における夢と現実の狭間

Estrella Desentis Torres
『豊穣の海』における世界再構築のデイスコース手段としての三島由紀夫の反近代半ロマン主義

Abril Fabian Margarito
サービス部門における1980年から2020年の日本の女性に対する差別と賃金格差

Victoria Inés Guzmán Villareal
Miradas sobre Japón. Exhibiciones de arte y cultura japonesa en Ciudad de México

Flor Areli Juárez Corona,
東松照明の1959年から1969年の写真集における戦後日本の記憶とアイデンティティ

Nuria Rebeca Madrigal González
アニメにおける登場人物の『少女』構築 – キャンディ、レディ・オスカル、ナウシカ、ラムのケースをもとに

Miguel Ángel Maeda Torres
戦記物語ー保元物語・平治物語ーにおける史的記憶の構築

Manuel Alexandro Martínez Pérez
日本で同性間結婚への制度化について

Gloria Abril Rodríguez Contreras
安部公房の『燃え尽きた地図』とポール・アウステルの『ガラスの街』の比較によるアイデンテイテイ模索の表現手段としての探偵小説

プログラムの目標

COLMEXの院生にとっては、日本で一次資料を得ること、日本語の能力を強化すること、さらには研究にかかわる日本人とのネットワークを構築することが目標となります。東京大学の学生にとっては、COLMEXの院生との交流を通じて学生同士の国際的なつながりを築くと同時に、ラテンアメリカ地域に対する理解を深めること、さらにはスペイン語の能力を高めることが目標です。

プログラムへの参加

COLMEXの参加学生11名は、厳格な選抜を経て決定済みであり、彼らのデータもLAINACに送られてきています。12月4日のイベントには、ラテンアメリカの研究にかかわる駒場キャンパスと本郷キャンパスの教員と学生(院生および後期課程学生)多数の参加が見込まれます。現在、各参加学生の研究テーマに近い学生や教員を探すなど、彼らの滞在中に的確なサポートをできる体制の整備に努めています。

東京大学への訪問報告

研修6日目の12月4日火曜日に東京大学を訪問し、オリエンテーションを行いました。まず、大学院総合文化研究科研究科長室を訪問し歓迎の言葉をいただきました。エル・コレヒオ・デ・メヒコ大学院大学の学生たちは、自身の関心や研究分野についての自己紹介を行いました。

キャンパスツアーを行ったのち、東京大学の学生・教員との交流会を行いました。交流会では、エル・コレヒオ・デ・メヒコ大学院大学の学生から自身の自己紹介や研究テーマについてのプレゼンがなされ、各発表について会場から多くの質問がなされました。交流会後にはレセプションが行われ、フランクな雰囲気の中で、引き続き各々の研究について意見交換が行われました。

2019年1月11日金曜日に再び東京大学駒場キャンパスを訪問し、研究滞在の報告会を行いました。エル・コレヒオ・デ・メヒコ大学院大学の学生から、滞在中の資料調査、現地訪問、フィールドワーク、インタビューの内容、進捗状況、今後の課題についてプレゼンがなされ、各発表について、東京大学の学生や教員から質問、意見が交わされました。