群島と大洋の思想史――太平洋のグローバル・ヒストリー

プロジェクトについて

「汎太平洋の鐘」(源覚寺、文京区小石川)。1937年源覚寺からサイパン島南洋寺に転出。戦後行方不明となるが、1965年に米国テキサス州オデッサ市で発見され、1974年サンフランシスコさくら祭りに展示された後、同寺へ帰還。20世紀中葉の太平洋を旅した釣鐘である(撮:馬路)。 「汎太平洋の鐘」(源覚寺、文京区小石川)。1937年源覚寺からサイパン島南洋寺に転出。戦後行方不明となるが、1965年に米国テキサス州オデッサ市で発見され、1974年サンフランシスコさくら祭りに展示された後、同寺へ帰還。20世紀中葉の太平洋を旅した釣鐘である(撮:馬路)。

 「太平洋」とは一体誰が語り、どのように意味づけられてきたのか。「太平洋」は誰のための構想であって、その構想にはいかなる意図が込められていたのか。我々は今日、「太平洋」をめぐるどのようなイメージや認識、意味の体系を継承しているのか。本プロジェクトは、政治・軍事・経済・文化・アイデンティティに関わるこれらの問いに対し、思想史(インテレクチュアル・ヒストリー)の観点から応答する。
 本プロジェクトの主な分析対象は、近現代において、太平洋沿岸諸国の人々、太平洋を横断する人々、(オセアニアなど)太平洋島嶼に住む人々が執筆してきた著作物(本・論文・雑誌・パンフレット・小説・旅行記・物語など)である。それらに込められた多彩な「太平洋」認識やヴィジョン、構想を摘出し、あるいは発見することがここでの狙いである。(下「プロジェクト概要」からの抜粋)(2021年5月)

プロジェクト概要

メンバー

氏名所属専門領域
上村 剛関西学院大学ブリテン帝国思想史・グローバル思想史
崎濱 紗奈東京大学東洋文化研究所・東アジア藝文書院(EAA)沖縄・日本近現代思想史
西田 尚輝東京大学大学院総合文化研究科(国際社会科学専攻)フランス社会思想史・比較福祉国家研究
馬路智仁
(研究代表者)
東京大学大学院総合文化研究科(国際社会科学専攻)帝国・国際政治思想史
古田 拓也二松学舎大学イギリス政治思想史・政治思想史方法論
矢島 ショーン東京大学大学院経済学研究科ドイツ・日本経済史、経済思想史
柳 愛林九州大学アジア政治思想史・比較思想史

進捗状況

活動記録

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