Contentious Politics Workshop第6回 Sumin Lee “Do petitions work? Follow up studies of local assemblies petitions after their adoption”
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※ 参加者はワークショップ開始前までにペーパー等を読んでおく必要があります。
ワークショップ中には報告者からペーパーの内容についてのプレゼンはありませんのでご注意ください。

CPW#06
Do petitions work? Follow up studies of local assemblies petitions after their adoption
Speakers:
Sumin Lee (Ph.D. Student, Department of Advanced Social and International Studies, The University of Tokyo)
Minkyu Kim (Ph.D. Student, Department of Econometrics, Michigan State University)
Discussant:
Misha Cade (Graduate Student, Graduate Program on Global Society, The University of Tokyo)
Date & Time: 2022/01/12, Wednesday, 16:50-18:35
Venue : Zoom
Language : Japanese (the paper is written in English)
Fee : Free
CPW第6回
地方議会に対する請願とその効果:採択以降の帰趨に着目して
発表:
イ・スミン(東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻・
キム・ミンギュ(ミシガン州立大学経済学研究科計量経済専攻・
討論者 :
Misha Cade (東京大学総合文化研究科国際人材育成プログラム)
日時: 2022/01/12(水曜日)16:50-18:35
場所: Zoom開催
言語: 日本語(論文は英語)
参加費 : 無料
発表の概要(Abstract):
議会請願は、市民が議会に具体的なイシューに関する要望を伝え、正式な審査と採決を求める制度である。議会が市民からの請願を妥当だと認めて採択すれば、その内容は処理を担当する執行機関に送付され、多くの場合、処理の経過及び結果を報告することが求められる。しかし、議会による請願の採択は、その後の処理を保証する法的拘束力を持つわけではないため、その効果に対する疑問は解消されていない。そこで、本研究は、地方議会の請願採択がその後の執行機関の処理に実質的な圧力として効果を有するのかについて検討を加える。既存研究が抱えていた因果推論における内生性の問題を解決するために、Control Functionアプローチを用い、議会採択の効果を可視的に確認する。本研究の分析結果からは、議会が請願を採択することによって、その内容の実現可能性が有意に高まることが確認される。特に、意見書や決議など議会の意見表明行為を求める請願だけではなく、都道府県の行政に関する請願においても、議会の賛同はその実現に向けて有効な圧力となっている。このような分析結果は、議会の役割の脆弱さが指摘されてきた日本の地方政治過程において、自治体に対する地方議会の政策的影響力が測れる1つの判断材料になると同時に、海外で2000年代以降、請願制度の実効性に関する問題提起と改革が注目を集めてきた中で、日本における請願という参加手段の実効性を本格的に検討する一歩としても重要な意味を持つ。
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