イベント

Dec 22 2021 16:50-18:35

Contentious Politics Workshop

第5回 上野 祥「権威主義体制における複数の反対派に対する抑圧:2000年代後半のエジプトを事例に」

ラテンアメリカ研究センター(LAINAC)

Contentious Politics Workshop第5回 上野 祥「権威主義体制における複数の反対派に対する抑圧:2000年代後半のエジプトを事例に」


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※ 参加者はワークショップ開始前までにペーパー等を読んでおく必要があります。
ワークショップ中には報告者からペーパーの内容についてのプレゼンはありませんのでご注意ください。

CPW第5回
権威主義体制における複数の反対派に対する抑圧:2000年代後半のエジプトを事例に

発表:
上野 祥(東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程・日本学術振興会特別研究員)

討論者:
イ・スミン(東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻・博士課程)

日時:2021/12/22(水曜日)16:50-18:35
場所:zoom開催
言語:日本語
参加費:無料

※※このイベントは終了しました。

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CPW#05
Causes and Effects of the Repression in an Authoritarian Regime Confronting Oppositions: the Case Study of Egypt in Late 2000s

Speaker:
Akira UENO (Ph.D. Student, Department of Advanced Social and International Studies, The University of Tokyo & JSPS Research Fellow)

Discussant:
Sumin LEE (Ph.D. Student, Department of Advanced Social and International Studies, The University of Tokyo)

Date & Time: 2022/12/22, Wednesday, 16:50-18:35
Venue : zoom
Language : Japanese
Fee : free


要旨(Abstract):
権威主義体制において、政府の努力にもかかわらず大規模な抗議行動が発生してしまうことがあるのはなぜか。本稿は、政府が脅威に感じる反対派がすでに存在している中で小規模な抗議行動を行う集団が登場した場合に、後者による大規模な抗議行動が発生しやすくなる、と主張する。なぜならこの状況下では、政府は自身の脅威認識を更新せずより脅威に感じる勢力に対して強い程度の抑圧を加える一方で、新たに登場した抗議行動を行う勢力への抑圧は弱くなるため、後者の勢力による抗議行動が継続して大規模化しやすい状況を作り出すからである。本稿では 2000年代後半のエジプトの事例分析を行い、政府が当時活発化していた抗議行動を主導する活動家たちよりもムスリム同胞団に対してより強い抑圧を加えていたこと、その背景には政府がそれぞれの勢力に対して抱く脅威認識が異なっていたこと、この抑圧が実際の抗議行動の動態に影響を与えていたことを示す。