イベント

Dec 13 2022 17:30-19:30

南アジア研究センター・セミナー:現代世界とユダヤ―インドとアルゼンチンの事例から―

南アジア研究センター(CSAS)

日時:

2022年12月13日(火) 17:30-19:30

場所:

東京大学駒場キャンパス18号館4階コラボレーション・ルーム2/オンライン(ハイフレックス)

報告者:

村上武則(東京外国語大学)「インド北東部における「ユダヤ」言説の展開と教団組織化」
宇田川彩(東京理科大学)「ユダヤ人の記憶をつなぐもの:アルゼンチンとイスラエルの文化人類学的フィールドから」

要旨:

村上武則(東京外国語大学) 「インド北東部における「ユダヤ」言説の展開と教団組織化」
インド北東部マニプル州とミゾラム州には自らを「イスラエルの失われた支族」の子孫であると主張し、2006年以降実際にイスラエルへの帰還事業の対象となった人々が存在する。現地社会においては帰還事業開始の遥か以前からキリスト教徒によるユダヤ教への「改宗」やシナゴーグの建設が始まっており、またイスラエルへの「帰還」の意図が無いにもかかわらず自らをユダヤ人と考えユダヤ教もしくはヘブライ語聖書の伝統に重点を置いたユダヤ教的キリスト教を実践するグループなども同時に存在している。本発表ではマニプル州とミゾラム州のユダヤ教団あるいはユダヤ人キリスト教団体が発行するタドウ語、ヴァイペイ語、ミゾ語文献の分析を通し、これらの「改宗」がインド独立後の混乱期を経た現地キリスト教の変容として捉えられること、また米国のユダヤ系新宗教の影響が見られること、そして「ユダヤ」の信仰に純粋性や真正性の回復を見出そうとしていることを指摘する。

宇田川彩(東京理科大学)「ユダヤ人の記憶をつなぐもの:アルゼンチンとイスラエルの文化人類学的フィールドから」
ユダヤ人としての「私」が私でもあり「私たち」でもあるという集団意識がどのように現れるのか。発表者はこの問いについて、これまで具体的な「場所」「物語」「(食べ物を含む)モノ」を中心として検討してきた。本報告ではアルゼンチン(2011‐2013)とイスラエル(2018‐2020)での調査から内容を抜粋する形で、これまでの研究を辿ってみたい。

参加申込方法:

オンライン(Zoom)での参加をご希望の方は、12月11日(日)までに下記のGoogleフォームよりご登録下さい。
https://forms.gle/VUr4hHqzTh5He5zr8

共催:

南アジア学会懇話会、科学研究費・基盤研究(C)「近現代インドのユダヤ教徒のライフ・ヒストリーと「国民国家」」、東京大学南アジア研究センター